「肥満、高脂血症、高血糖値、高血圧」といった危険因子は、その1つ1つの症状がそれほど重くなくても、これらがいくつも重なると動脈硬化が急速に進行してしまいます。
動脈硬化は血管が硬くなって弾力性を失ったり、狭くなったりして、血液が流れにくくなってしまう訳ですが、これが心臓で起こると狭心症や心筋梗塞といった心臓病になり、脳で起こると脳梗塞のような脳血管障害となり、生命を脅かすような重大な病気を引き起こすのです。
「肥満、高脂血症、高血糖値、高血圧」は食べ過ぎや運動不足など生活習慣が原因で起こることが多いため生活習慣病と呼ばれていますが、これらは痛みなどの自覚症状が現れないため、知らず知らずのうちに動脈硬化が進んでしまい、突然取り返しの付かない病気になってしまったということも少なくありません。
厚生労働省によると、わが国の国民医療費の3分の1がこれら生活習慣病によるものであるといわれています。
このようなことから厚生労働省は、メタボリック該当者並びにメタボリック予備軍を早期に発見し、生活習慣病の発生や悪化を予防して、医療費削減するために、2008年度よりメタボリックの特定検診、保健指導(メタボ検診)を義務づけています。
ちなみに、メタボリックという言葉は近年になって使われだした言葉であって、それ以前は「肥満、高脂血症、高血糖値、高血圧」の4つの症状が重複して現れると健康な人に比べて生活習慣病で死に至る危険性が高まることから「死の四重奏」と呼ばれていました。